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日本人の2~3人に1人が高血圧、糖尿病患者と言われており、
その数は約4700万人に上ります。


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痛風の治療

高尿酸血症・痛風の治療

痛風の治療は痛風関節炎の治療と、その背景にある高尿酸血症の治療の2つに大別されます。前者は急性あるいは慢性の炎症を消退させることが目的であ り、後者に対しては、生活習慣改善や尿酸降下薬による薬物治療が行われます。高尿酸血症の治療により痛風関節炎の頻発・慢性化、あるいは高尿酸血症に伴う 臓器障害(尿路結石、痛風腎)を予防することができます。

 

1)痛風関節炎の治療

痛風関節炎には原則的に非ステロイド抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs、NSAIDs)を用い、関節炎が消失したら投与を中止します。痛風発作の極期には比較的多量にNSAIDを投与するNSAIDsパルス療法が 推奨されます。例えば、ナイキサン1回300mgを1日に限り3時間毎に3回まで投与し、残存する疼痛に対して翌日から400〜600mg/日を投与しま す。

腎機能障害や胃潰瘍などの消化管障害がありNSAIDsが使用できない場合、あるいは効果が乏しい場合にはステロイド剤(商品名:プレドニン、デカドロンなど)を用います。コルヒチンは、痛風発作の予兆期に1錠を服用し発作を頓挫させるために用います。

 

2)高尿酸血症の治療方針

痛風発作は高尿酸血症を由来とする尿酸塩の臓器沈着の目安でもあり、痛風発作の既往があれば原則として継続的に血清尿酸値を低下させる必要があります。日本痛風・核酸代謝学会ガイドラインに高尿酸血症の治療方針が提示されています。

ポイント

  • 痛風発作の既往があれば薬物治療を考慮
  • 痛風発作の既往がない場合
    • 血清尿酸値が8.0mg/dl未満の場合には生活指導のみで経過を観察
    • 血清尿酸値が8.0mg/dl以上の場合には合併する病態(肥満、高血圧症、高脂血症、虚血性疾患、耐糖能異常など)があれば薬物治療を考慮
  • 血清尿酸値が9.0mg/dl以上の場合には薬物治療を考慮

 

A: 尿酸降下薬投与の実際

尿酸降下薬には尿酸排泄促進薬と生成抑制薬があります。尿酸排泄促進薬にはベンズブロマロン(商品名:ユリノーム)、プロベネシド(商品名:ベネ シッド)などがある。尿酸生成抑制薬としてはアロプリノール(商品名:ザイロリック、アロプリノーム)に加え、2011年よりフェブキソスタット(商品 名:フェブリク)が使用可能となりました。尿酸排泄低下型高尿酸血症には尿酸排泄促進薬を、尿酸産生過剰型高尿酸血症には尿酸生成抑制薬を使用しますが、 尿路結石、腎障害合併時には尿酸生成抑制薬が第1選択となります。

治療目標は血清尿酸値6.0mg/dl以下です。尿酸降下薬は長期間の内服が必要となります。血清尿酸値のコントロール状況と副作用のチェックのためにも定期的に血液・尿検査を行う必要があります。

 

B: 痛風発作中の尿酸降下薬の開始や増量による関節炎の悪化

痛風発作中に尿酸降下薬を開始すると関節炎が悪化、長期化することが良く有ります。尿酸降下薬投与中に痛風発作が起きた場合に尿酸降下薬を増量する と、やはり関節炎が悪化します。急激に血清尿酸値が下がることにより、関節内の尿酸塩結晶が関節腔内に剥脱しやすくなることが、その機序と考えられていま す。発作中に血清尿酸値を変動させる尿酸降下薬の開始や増量をしないことが原則です。尿酸降下薬を開始するときには、痛風発作が消失した2週間後くらいか ら少量を開始し、血清尿酸値を見ながら徐々に増量していきます。

 

C: 尿路管理

痛風患者は酸性尿を呈することが多く、酸性尿(尿pH6.0未満)は尿中での尿酸の結晶化を促進され、尿路結石や腎機能障害発症のリスクがあります。尿酸排泄促進薬を内服する場合は、尿をアルカリ化する薬剤であるウラリットを併用します。

 

D: 生活習慣の改善

尿酸降下薬による薬物治療とともに重要であるのが生活習慣の改善であり、肥満の防止・改善のため適正なエネルギー量を摂取することに加え、アルコー ル類・果糖・プリン体の取り過ぎに注意します。乳製品、コーヒーやビタミンCの摂取は痛風発症抑制作用があり、高プリン体含有野菜や高タンパク食は痛風発 症には影響しないという報告があります。

尿酸は腎臓から尿中へ排泄されるので、水分を多量に摂取し一日尿量を2リットル以上にすることが勧められますが、心疾患、腎疾患等を有する場合は医師に相談が必要です。

過度の運動(無酸素運動)は血清尿酸値を上昇させます。個人の運動能力を上回る運動、過度の筋肉強化運動や瞬発力を要する運動は高尿酸血症の予防という観点からは好ましくありません。

 

3)予後

痛風関節炎における高尿酸血症の管理は、関節炎の重症化を防ぎ、腎障害などの内臓合併症を予防するためにも重要です。かつては痛風患者の死因の主な ものは腎不全でしたが、尿酸降下薬の導入により腎不全は減少した一方、動脈硬化性疾患の比率が高まっています。血清尿酸値が動脈硬化性疾患の単なる予測因 子であるのか、あるいは危険因子であるかについては結論が出ていませんが、痛風患者の予後には動脈硬化性疾患の合併が大きく影響します。したがって、血清 尿酸値のコントロールだけでなく、合併症の有無にも注意を払い、生活習慣の改善を行うことが重要です。

 

出典:東京女子医科大学