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高血圧、糖尿病は国民病とも言えるほど身近な存在です。
日本人の2~3人に1人が高血圧、糖尿病患者と言われており、
その数は約4700万人に上ります。


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痛風対策は生活習慣改善から

痛風の発作は「風が吹くだけで痛む」「骨折した際の痛みより強烈」などと形容される。厚生労働省の国民生活基礎調査による直近のデータでは国内患者数は約96万人(2010年時点)と推定されている。

千葉県柏市に住む50代男性のAさんは健康診断で、尿酸濃度が高く痛風の予備軍である「高尿酸血症」になっているといわれた。そこで医師に処方された尿酸 値を下げる薬の服用を始めた。血液中の尿酸値が下がったが、まだ高尿酸血症だと診断される1デシリットル当たり7ミリグラムを超える値。発作こそないもの の、2~3日に1回は歩く時に足の親指の付け根がチクッと痛むことがあるという。Aさんは食べ物に気をつけるなど生活習慣の改善にも取り組み始めた。

■患者の9割が男性

 痛風は尿酸濃度が高い状態が続くと起こる。徐々に尿酸が結晶化して関節にたまり、何らかのきっかけで結晶の一部が崩れると白血球が異物と認識し、患部で炎症が起きる。初めて痛風に見舞われる人の70%以上は足の親指の付け根で起きる。

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尿酸は男性ホルモンの働きで体内で増えやすいため、患者の9割以上が男性だ。女性では女性ホルモンの影響で体内の尿酸濃度は低くなるが、閉経後は注意が必 要だ。中高年に多いとされてきた痛風だが、今は20~30代でも増えている。食の欧米化のほか、飲み過ぎや食べ過ぎなどが影響していると考えられている。

遺伝子のタイプが発症しやすさに関係しているのも分かってきた。防衛医科大学校の松尾洋孝講師らが痛風を発症した男性患者約700人を調べると、4人のうち3人の割合で「ABCG2」という遺伝子に特定の変異があった。

体外に排出される尿酸の約3分の2は尿を通じて体外に排出されるが、残りは腸管から出ていく。この遺伝子は主に腸管での排出に関わっており、変異があると 排出機能が弱まる。発症リスクは排出機能が正常な人の3倍以上で、変異の中でも特に機能が低いタイプに限定すれば10倍。これを20代以下だけで計算する とリスクは約22倍になった。

 

研究チームによると、尿酸値が7ミリグラム以下の健常な男性約1900人では、正常タイプと変異タイプの割合はほぼ半々だった。松尾講師は「健常な人でも尿酸値が高まるような状態になれば、2人に1人は痛風になりやすい要因を持っている」と指摘する。

「江戸時代以前、日本の痛風患者はゼロに近かったといわれている」と松尾講師は解説する。遺伝子タイプの割合も現代とほぼ同じだと考えられるが、伝統的な 食生活などの影響で患者は出なかった。「食生活や肥満などに気をつければ、発症リスクの高い遺伝子変異を持つ人でも痛風の発症を避けられる可能性が高い」 (松尾講師)といえそうだ。

■水分摂取も大切

  実は、松尾講師自身がかつては肥満などを表す基準である体格指数(BMI)が30と非常に太っており、尿酸値も9ミリグラムと高かった。いつ痛風の発作に 見舞われてもおかしくない状態だったが、減量を試みてBMIを標準とされる22まで下げた。食事の量を抑え、適度な運動も心掛けた結果だ。尿酸値は6ミリ グラム台と正常範囲になった。

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痛風では飲酒がよくないと昔からいわれる。尿酸は「プリン体」という物質から作られる。アルコールが体内で分解される際、プリン体の分解も進んでしまう。 ビールなら1日に中瓶1本に抑えるなど適量を守るのが大切だ。週2回は酒を飲まない日を設けることを専門家は勧めている。

兵庫医科大学の森脇優司教授は「むしろ酒のつまみに気をつけてほしい」と注意を促す。アルコール摂取で食欲が増し、プリン体が多く含まれる食品をつい口にしてしまうからだ。代表的なものは、鶏や牛などのレバー、マイワシやマアジなどの干物、カツオなどだ。

十分な水分摂取も大切だ。尿の量が増え、尿酸の排出量も増えるからだ。水や茶で水分を取るのがよいという。

尿酸値を高める生活習慣は「高血圧や糖尿病などの発症リスクも上げる」(森脇教授)。生活習慣を改善すれば、こうした病気を避けられる可能性も高まると肝に銘じておきたい。

 

出典:日本経済新聞